酵素の疑問

酵素栄養学にこのような主張があります。

 

酵素は加齢とともに生産される量が減る。
だから外から補わなくてはならない。
消化酵素を補給することで
体内の消化酵素を節約し
代謝酵素に回すことができる。結果として代謝がアップし
エネルギー効率がよくなり
病気になりにくい体になる。

 

今日は、この主張について考えてみます。

 

酵素栄養学においては

潜在酵素

という考え方をします。

 

潜在酵素は私たちが生まれる前に
作られていて、生まれてからは
潜在酵素は減少していきます。

 

消耗品という考え方です。

 

この潜在酵素から
消化酵素や代謝酵素が作られます。

 

歳をとるにつれて潜在酵素は
減っていくので、放っておくと
消化酵素、代謝酵素が不足して
体調を崩す原因となるらしいです。

 

だから食べ物に含まれる酵素を
補給しなければならないと。

 

酵素栄養学のこの主張については
ギモン点が3つあります。

 

①大前提になっている潜在酵素って?

酵素栄養学で潜在酵素から
消化酵素や代謝酵素が作られるらしいのですが
誰も潜在酵素の存在を確認した人はいません。

 

そもそも酵素はタンパク質でできています。

 

タンパク質はアミノ酸でできています。

 

人間が生きていく上で必要なアミノ酸は
20種類ありますが

 

20種類のアミノ酸がいろいろな結合をして
数千種類の酵素ができあがります。

 

どんな酵素を作るかは
細胞の中のDNAに設計図があります。

 

その設計図に従って
アミノ酸から酵素は作られています。

 

使われるアミノ酸、結合のしかたによって
酵素の働きは変わってきます。

 

消化酵素や代謝酵素は潜在酵素から
作られるのではなく

 

DNAの中にある設計図に従って
アミノ酸から作られます。

 

②酵素は年齢とともに不足する?

 

酵素栄養学では酵素を第7の栄養素と
して考えていますが

 

そもそもこの前提が違います。

 

酵素はそれ自体が栄養になるのではなく
体内での化学反応の触媒です。

 

触媒は反応の前後で変化しません。

 

栄養素というのはエネルギーになる前と後では
カタチを変えています。

 

酵素は変わりません。

 

つまり1回使われるとなくなるものではないのです。

 

酵素は年齢とともに不足するわけではなく
必要な分だけ必要なときに必要な量が
アミノ酸を原料に新たに作られます。

 

③酵素は外から補給できる?

残念ながら食べ物が含む酵素を
摂り入れても、体内で働くことはありません。

 

酵素はタンパク質の一種です。

 

タンパク質ですから消化作用で分解され、
アミノ酸となり腸から吸収されます。

 

タンパク質は胃の中に入った時点で
そのほとんどが胃酸によって分解され、
元の酵素としての働きはなくなります。
ただ、例えばさんまと大根おろしを
一緒に食べると

 

胃に到達するまでの間に
大根おろしに含まれる消化酵素が
消化の助けになるのは確かでしょう。
いかがでしたでしょうか?

 

酵素は生きていくために必要不可欠ですが
酵素の性質、特徴、働きについては
誤解されていることも多いようです。